その5 たとえ話 =醜いアヒルの子は白鳥?=

私は患者さんに病気の説明をする時に、よく例え話をします。膀胱炎の人には、川の流れに逆らって上っていく魚の話をします。この場合、魚とは大腸菌など膀胱炎の原因になる細菌のことで、川は尿道のことです。膀胱炎は便に入っている大腸菌が原因になることが多いのですが、それが様々な理由で尿道の出口より、尿道に入り膀胱まで達して数を増やして、頻尿や排尿痛などの膀胱炎症状を起こします。普通細菌の数が尿1cc当たり、5万から10万個程度なければ症状を起こさないので、1cc1万個以下の細菌の数では、膀胱炎として認識されないということになります。従って、水分を十分を取って排尿の勢いを増加したり、おしっこを長時間がまんしない、などが膀胱炎の予防につながります。

診察室 | Ildong Kim | 日曜日, 10 10月 2004

もっと読む

第5回 腎盂腎炎(Pyelonephritis)

症状:発熱、悪寒、側腹痛 28歳のJさんは、ある冬の朝、高熱と悪寒がして近くの緊急医療センターを受診しました。吐き気、背部痛と軽い下痢もあったことから、インフルエンザと診断され、抗インフルエンザ薬と熱ざましをもらい帰宅しました。しかし、その後も高熱と背部痛が続いたので2日後内科医を受診しました。「頻尿や排尿痛」について医師から質問されましたが、Jさんは普段から尿が近いほうなので特に頻尿だと思ってもいませんでした。診察で右側の背中をこぶしでとんとんと叩かれたとき、鈍い痛みがしました。簡易尿検査の結果、腎盂腎炎と診断され抗生物質を3週間処方されました。

気になる症状 | Ildong Kim | 金曜日, 15 10月 2004

もっと読む

第71回 疝痛 (Colic = baby colic)

症状:生後3ヶ月までの赤ちゃんの 激しい泣き    生後2ヶ月のPちゃんは、抱っこしても授乳しても激しく泣くので、お母さんは疲れ気味です。生まれて2-3週間して激しく泣き始め、特に夕方以降夜中まで激しく泣きます。小児科医に、疝痛と言われ、生後3ヶ月を過ぎると良くなると聞いてお母さんは一安心しました。

気になる症状 | Ildong Kim | 日曜日, 29 3月 2009

もっと読む

第76回 不眠症 (Insomina)

不眠症の人はアメリカで6000万人いると言われています。1か月以上不眠が続く慢性不眠症の人も人口の1割程度といると推定されていますが、それほど不眠症は一般的な病気です。不眠症は年齢が上がるに従って増え、高齢者の多くが不眠症に悩まされています。

アメリカ健康ノート | Ildong Kim | 水曜日, 24 1月 2007

もっと読む

第45回 唾石症 (Salivary stone = Sialolithiasis)

症状:顔や首の腫れ、痛み、口の乾燥 32歳のKさんは、ある夕食時、突然顎の下に激痛が起こり、腫れにも気づきました。翌日内科医を受診したところ、唾石症の疑いで耳鼻科医を紹介されました。

気になる症状 | Ildong Kim | 水曜日, 24 1月 2007

もっと読む

第87回 腹壁痛 (Abdominal wall pain)

 前々回の「腹痛」の補足版ですが、今回は、腹部の表面の痛みである腹壁痛について説明をします。腹部の痛みは、必ずしも腹部の中の臓器から来るとは限りません。腹部の表面を構成する皮膚や、皮下組織、筋肉、筋膜などから来る痛みもあるのです。 例えば、左下腹部痛がある場合、憩室炎、便秘、尿管結石、炎症性腸炎、過敏性大腸炎などの内科疾患や、子宮内膜症、卵巣嚢腫(のうしゅ)、骨盤炎症性疾患などの婦人科疾患が原因として考えられます。しかし、下痢、血便、嘔吐、熱、おりもの、膣出血など、腹痛以外の症状が全くなく、血液検査、腹部X線、超音波検査やCT検査でも異常が無い場合、前述の内科・婦人科疾患の可能性はずっと少なくなります。このような時、腹壁痛を考えるのです。

アメリカ健康ノート | Ildong Kim | 木曜日, 25 10月 2007

もっと読む

第57回 シックハウス症候群 (Sick House Syndrome)

家の中の空気が大気よりも汚染されているかもしれない――ということをご存知ですか。実際に、多くの都市部では室内空気の方が大気よりも汚染されています。とりわけ、体に有害な一酸化炭素や一酸化窒素などの揮発性有機化合物の空気中の濃度は、室内の方が外気よりも高いのです。大半の人は、1日のうち8~9割の時間を家、アパート、ビルなどの建物の中で過ごします。中でも、空気汚染の被害を受けやすい乳幼児や高齢者は、平均して95%以上の時間を建物内で過ごしています。従って、室内の空気汚染は程度が軽度でも、長期間に及ぶと健康に与える影響は計り知れないものがあるのです。

アメリカ健康ノート | Ildong Kim | 日曜日, 3 4月 2005

もっと読む

第2回 子宮外妊娠 (Ectopic pregnancy)

25歳のIさんは、生理が遅れていることをあまり気にとめていませんでした。普段から生理の周期が不規則だったからです。ある日、突然腹痛、倦怠感がして、近所の病院の救急室を受診しました。腹痛が上腹部で、吐き気があるので、最初に診たA医師は、急性胃腸炎と診断し点滴治療を始めました。しばらくしても状態が改善しないので、A医師はB医師に相談しました。B医師がIさんの診察をした時、Iさんはすでにショック寸前の状態で、B医師はある疾患を考えすぐにA医師に産婦人科医に連絡を取るように言ったのです。

気になる症状 | Ildong Kim | 木曜日, 7 10月 2004

もっと読む

第64回 声帯機能不全 (Vocal cord dysfunction = VCD)

症状: 喘息と似た喘鳴、咳、息ぐるしさ      36才の男性Dさんは、昨年より喘息のような喘鳴と咳が続き、気管支拡張薬と、ステロイドの吸入薬を使っていましたが、なかなか症状は改善しませんでした。2回程、呼吸症状が悪化し、近所の救急室を受診しましたが、2回とも経口のステロイドを処方されて帰宅しました。しかし、症状が完全に良くなることはなく、呼吸器専門医も受診しましたが、「喘息」は改善しませんでした。最終的に耳鼻科を紹介され、喉頭鏡検査で声帯機能不全と診断されてからは、スピーチセラピーによって徐々に症状が改善していきました。

気になる症状 | Ildong Kim | 日曜日, 29 3月 2009

もっと読む

第34回 続・SARS (重症急性呼吸器症候群)

サンディエゴの地元日系紙「ゆうゆう」の2003年5月1日号に掲載。改訂を予定していますので今しばらくお待ちください。

アメリカ健康ノート | Ildong Kim | 木曜日, 30 9月 2004

もっと読む

第41回 精巣上体炎(=副睾丸炎、epididymitis)

症状:陰嚢の腫れと痛み、微熱 45才のTさんは、東南アジア出張中に、ストリートガールとセックスをし、その後、微熱、陰嚢部の腫れと痛みが起こりました。ズボンに触れるだけでも陰嚢部が痛くなるようになり、思い切って医師を受診しました。

気になる症状 | Ildong Kim | 木曜日, 1 6月 2006

もっと読む

第41回 誤解の怖い医学英語 

以前アメリカ人医師に言われた診断名を一般の英和辞典で調べ、何年間も診断名を誤解されていた患者さんがおられました。又、ある患者さんは、専門の通訳者によって通訳をしてもらったにもかかわらず、誤った日本語の診断名を教えてもらっていました。医学英語は、英語が得意な日本人にとっても、専門の通訳者にとっても容易なことではありません。それは、医学用語というのが、日本語でも英語でも医学という専門の知識がないと理解が難しいということに関係があります。例えば、Hordeolumという英語を「麦粒腫」という日本語に置き換えても医療関係者で無い限り、アメリカ人でも日本人でもその意味することを把握することは難しいのではないでしょうか。ただこの単語はそれぞれ、「Sty 」あるいは、「ものもらい」、という日常でよく使われる用語に変換すると、理解は極めて簡単になります。

アメリカ健康ノート | Ildong Kim | 金曜日, 1 10月 2004

もっと読む

第79回 ノロウィルス (Norovirus)

 今回は、この冬日本で大流行し、過去最高を記録したノロウィルスによる感染性胃腸炎を取り上げます。新聞報道などによると、この冬の大流行は、これまで多かった生カキなどによる食中毒というよりも、人から人への感染が中心になっているとのことです。

アメリカ健康ノート | Ildong Kim | 水曜日, 7 2月 2007

もっと読む

第25回 線維筋痛症 (Fibromyalgia = FMG)

症状:全身の筋肉痛、疲労、圧痛 40才の女性Pさんは、2年前から体のあちこちが痛く、疲れも慢性的にあり、これまで3人医師を受診しましたが、いろいろな血液検査をして「異常がない。」と言われ痛み止めを処方されただけで、症状は一向に改善しませんでした。知人に紹介された内科医を受診し、線維筋痛症の可能性があると言われ、試しに服用した抗うつ薬が効果示し、最近では痛みも疲れもやや改善してきました。

気になる症状 | Ildong Kim | 木曜日, 17 2月 2005

もっと読む

第12回 更年期障害

サンディエゴの地元日系紙「ゆうゆう」の2001年4月1日号に掲載。改訂を予定していますので今しばらくお待ちください。

アメリカ健康ノート | Ildong Kim | 水曜日, 15 9月 2004

もっと読む

MORE_IN: 医療相談室, 気になる症状, アメリカ医学生の体験談, アメリカ健康ノート, 診察室, Medical Student Life

100%
-
+
3
Show options
Move
Display 0 | 5 | 10 | 15 Stories

ヘルス

Topics
Top Story

第63回 膝の痛み (Knee pain) =運動およびスポーツ外傷によるもの=

第63回 膝の痛み (Knee pain) =運動およびスポーツ外傷によるもの=

膝の痛みは、内科医や家庭医を受診する筋骨格系の病気のうち3分の1を占めると言われるほど頻度の高い訴えです。特に、スポーツや運動を行っている人の半分以上が何らかの膝の痛みを訴えると言われています。軽い膝の痛みは、膝の使いすぎ、スポーツを行う際の準備運動や整理運動の不足が原因になっています。...

第39回 血管迷走神経反射 (Vasovagal Reflex)

...

第30回 ブルガダ症候群(Brugada sydrome)

症状:失神、突然死、あるいは無症状 Kさんは、仕事中急に気を失いました。救急車で、近くの救急病院に運ばれ、いろいろ検査を受けましたが原因がわからず、心臓の専門医を紹介されました。後日心臓の専門医を受診したところ、ブルガダ症候群の可能性があるということで、心臓電気生理検査を受け、その結果、植え込み型除細動器(ICD)の手術を受けることになりました。...

第31回 子供の亀頭包皮炎 (Balanoposthitis)

...

第85回 腹痛 (Abdominal pain)

...

第54回 副鼻腔炎 (Sinusitis)

第43回 肋軟骨炎 (Costochondritis)

第60回 血尿(Hematuria)

第29回 バルトリン(腺)膿瘍 (Bartholin’s abscess)

第64回 肩の痛み(Shoulder pain)

第55回 アメリカでの妊娠と出産

第75回 卵巣嚢胞(嚢腫)(Ovarian cysts)

第59回 注意欠陥多動性障害(ADHD) その2

第71回 無月経 (Amenorrhea)

第81回 胸痛 (Chest Pain)

Move
Display 0 | 5 | 10 | 15 Stories

医学教育

Topics
Top Story

死体解剖

死体解剖

今週は、とてもたくさんの事について、勉強しました。医学を学ぶことは、よく、「消火用ホースから、水を飲むことのようだ」と言われています。今までは、その意味が良くわかりませんでしたが、医大で勉強を始めて、新しい情報がどんどん出てくるので、ちょっとその意味を理解できるようになった気がしました。...

新入生向けのオリエンテーション

...

US Medical School: Timeline

Outline of US Medical Education First, a quick summary. Total time from high school graduation to residency completion: 4 years college + 4 years medical school + 3-5 years residency = 11-13 year...

医大に入る前

はじめまして。ジェイといいます。私は日本で二年間過ごしたので、日本語が話せるようになりました。うまくはないけれど、頑張って、日本語でこの記事を書いてみます。 ...

医学選択科目

UCSFには、必修科目に加えて、医学と芸術、ホームレス健康問題、黒人健康管理の格差、小児科問題、中国語医学用語など、いろいろな選択科目があります。 私は、「アジア人の健康と医学」と「クリエイティブ(創造的な)ライティング」の2つの選択科目をとることにしました。今日は、「クリエイティブ(創造的な)ライティング」の授業について、書きたいと思います。 ...

中間試験

Introuduction: An American Medical Student

Intensive Care Unit

Blocks: An Integrated Approach to Learning Medicine

Preceptorship: Learning in the Community Setting

轢かれた

集中治療室

Move
Display 0 | 5 | 10 | 15 Stories

医療室

Topics
Top Story

その3 エッチドクター? =思春期医療=

その3 エッチドクター? =思春期医療=

アメリカでは思春期医療というのが、小児科の中で独立した領域として存在します。従って、小児科の研修を受ける人は、思春期医療の研修も行います。避妊の仕方や、ドラッグの体に対する悪影響、思春期特有の問題について研修をします。特にアメリカではドラッグに手を出す高校生が3割以上いるので、ドラッグに関する知識は小児科医としては必須です。...

第3回 虫刺され(Insect bites)

...

第7回 急性前立腺炎 (Acute Prostatitis)

質問:33才の男性で、肛門辺りの不快感と射精時に痛みがあり、医師を受診したところ、急性前立腺炎と言われました。急性前立腺炎とはどういう病気ですか?...

その6 耳垢君、君は包囲された

...

第1回 のどの痛み(sore throat)

質問:よく熱をだして、のどが痛くなりますがどんな病気が考えられますか? のどの痛みは非常に訴えの多い症状です。のどの痛みと言っても患者さんが訴える「のどの痛み」は、扁桃、咽頭、喉頭の痛みから、首の正面下部あたりまでの痛みが含まれることがありますが、ここでは、扁桃、咽頭及び喉頭の痛みに限っておきます。...

第6回 左半身の筋力の低下(Muscle weakness)

第5回 肛門周囲膿瘍(perianal abscess)

その7 胸痛はお父さんの愛情 =愛情も度を越すと病気を起こす=

第2回 アレルギー(Allergic Rhinitis)

第4回 高脂血症 (Hyperlipidemia)

その9 抗菌剤(抗生物質)は正義の味方か?

その4 脅かすドクター =成人病のコントロール=

その5 たとえ話 =醜いアヒルの子は白鳥?=

その8 渡米して驚く予防接種の数

その10 家族のように思って治療を =これが良いドクターの条件?=