気になる症状
第78回 ノミ刺され(Flea bite)

 

症状: 皮疹、かゆみ、

 

23才のT君は、犬を飼っているアメリカ人の家にホームステイをしています。1月前より足に皮疹が出現、市販のクリームを使って痒みを抑えていましたが、昨日足に5cmくらいの痛いしこりがあるのに気づきました。医師を受診したところ、膿瘍ということで切開排膿され、抗菌剤を処方されました。

 ノミは、1.53.0mm程度の大きさで濃い赤茶色の、翅(はね)のない昆虫で、動物の血を吸って生きています。脚は3対で、自分の身長の7080倍の高さをジャンプすることができます(18cm程度)。ヒトを宿主とするヒトノミは現在あまり見られないですが、犬や猫を飼っていると、イヌノミ、ネコノミが存在し、時々人間を咬む時があります。

 

 ノミに咬まれると、赤く盛り上がって、真ん中に一箇所咬まれた痕のある皮疹ができ痒くなりますが、ノミの唾液に対するアレルギー反応で、二次的なアレルギー性皮疹も出てきます。痒みは数週間以上続くこともありますが、時には非常な痒みを起こします。

 

 皮疹が痒くて掻いていると、皮膚に小さな傷ができ、そこから細菌が侵入し、皮膚の感染症を起こすことがあります。時には、膿が溜まったり膿瘍を形成します。

 

 治療は、痒みを抑えるのがまず第一ですが、市販されているカラマインローションcalamine lotion)やワセリン(vaseline)をまず使用します。それで改善しない時は、ステロイドクリームを使います。痒みが広範囲に起こる時は、抗ヒスタミン剤を服用します。膿瘍は自然に破れて治ることもありますが、切開排膿するのが治療です。

 

 ノミ刺されの手っ取り早い予防としては、虫除けスプレーやクリームなどを使って、咬まれないようにする方法がありますが、これは長期的な対策ではありません。

 

 究極的な予防はノミ退治ですが、卵、幼虫、さなぎを経て、成虫になるノミの、いづれの段階のノミも退治しなくてはいけません。犬や猫には、市販のAdvantage, Frontline, Revolutionなどのノミ殺虫液やパウダーを直接使います。室内は殺虫の噴霧剤(fogger)やスプレーを使用。他にノミ取り器(flea trap)を使う方法もあります。室内には、他に、メトプレン(methoprene)やピリプロキシフェン (pyriproxyfen)などの昆虫成長抑制剤(IGR)や、ピレトリン(pyrethrins 除虫菊の成分)やロテノン(rotenone,植物の根由来 )などの植物系殺虫剤を使います。

 

 室内の温度と湿度を低く保ち(摂氏20度以下、湿度50%以下)、掃除機で部屋の隅々まで掃除(吸引)することもノミ退治には大切です。

 

記事中の患者さんは架空の患者さんです。

 

サンディエゴの日系紙「Lighthouse San Diego」2009年月416日号に掲載

 
第77回 口腔灼熱症候群 (Burning Mouth Syndrome = BMS)

 

症状: 舌の灼熱感、痛み、味覚異常 

  

 56歳の女性Pさんは、最近舌の表面がひりひりして、灼熱感を感じ、味覚も変化してきたので、複数の医師を受診しましたが、原因がわからず、痛みで夜も寝れない時があり、しだいに憂鬱な気分になってきました。

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第76回 乳腺炎 (Mastitis)

症状: 乳房の痛み・赤い腫れ、発熱 

 

 Yさんは、3ヶ月前に出産しましたが、仕事の関係上授乳時間が一定していません。乳房に痛みを感じたかと思うと、翌日には発熱してしまいました。右の乳房を見ると赤く腫れていたので、医師を受診したところ、抗生物質を処方され授乳の継続をアドバイスされました。

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第75回 偽脳腫瘍 (Pseudotumor cerebri=PTC)

 

症状: 頭痛、嘔気、複視 

 

 Tさんは、35歳の太り気味の女性です。23ヶ月前より拍動性の頭痛と嘔気が始まり、最近物が二重に見えてきました。近所の内科医を受診したところ、頭部MRIで異常がなかったものの、腰椎穿刺という検査の結果、髄液圧が上昇しているので偽脳腫瘍と診断されました。薬を処方されましたが、症状が改善しないので、何度か腰椎穿刺を受け髄液を取り除くことになっています。

 

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第74回 ヘノッホ・シェ-ライン紫斑病(Henoch-Schonlein Purpura = HSP)

症状: 下肢の紫斑、腹痛、関節痛、血尿

                             

 8歳の男の子G君は突然の激しい腹痛のため、救急室に運ばれました。痛み止めをもらって帰宅しましたが、原因がわからず、翌日に小児科を受診しました。腹痛以外に、下肢の痛みと足に紫斑があったので、ヘノッホ・シェーライン紫斑病(HSP)と診断され、尿検査と血液検査を受けました。

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